ひとり親の公的支援は?|13の支援をざっくり解説
ひとり親の方やこれからなる予定の方、
それぞれ色んな事情や状況はあるとは思うんだけど、
子育てを一人で背負うとなると、プレッシャーや不安は半端じゃないよね?
実際、経済的にも精神的にも負担は大きいソロ。
そんな時に、国や自治体から少しでも支援があれば状況は違ってくるのでは!?
例えば、代表的なものに児童扶養手当があるけど、他にも育児の悩み等の相談もしてくれるなど多種多様な支援制度が各自治体で準備されているんだ。
今回は、おいらFPとしてお金に関する部分の情報をメインに、
できるだけわかりやすく紹介するソロ。
享受できる公的支援があれば、ぜひ活用させてもらおう!
*長文になるため、目次を活用して必要なところだけをチェックしてみて。
ひとり親世帯の公的支援
公的な支援の中でも、ぜひ活用したい13の支援を紹介します。
自治体によっても多少違いはあるかもしれませんが、おおむね同様の支援があると思います。
13の公的支援
⒈児童扶養手当
ひとり親になった際は、真っ先に申請しましょう。
と言うのも、手当が支給されるのは、申請の翌月からなのです。
提出が遅れたからといって、遡って支給されません!
✅支給額
月額43,160円(全額支給)〜10,180円(一部支給)
子供が2人⇨月額10,190円加算=53,350円(全額支給の場合)
3人目以降⇨一人につき月額6,110円加算(全額支給の場合)
✅支給対象
18歳に達する日以降、最初の3月31日までの児童を扶養するひとり親(母または父)や養育する祖父母など
✅所得制限
収入制限の目安(1人のお子さんのみを扶養しているケース)
年収 0〜160万円 全額支給
年収160〜365万円 一部支給
年収365万円超 対象外
別途案内します。
どちらも併用できますので各市区町のHPを確認しましょう。
⒉児童手当
✅支給額
□3歳未満…一律15,000円
□3歳以降小学校修了前…10,000円(*第3子以降15,000円)
□中学生…一律10,000円
*第3子以降とは、高校生以下のお子さん(18歳到達後最初の3/31までの子)の数になります
✅支給対象
中学校卒業までの児童を扶養している方
✅所得制限(万円)
通常の所得と少し異なります。
ざっくりですが、以下の計算式で求めた所得を下表所得限度額の目安としてください。
とは言え、少し面倒な感じもしますので、年収目安も掲載しています。
☛給与所得-10万円*ーひとり親控除35万円(ひとり親の方のみ)-8万円
*自営業等の事業所得の方は10万円の控除は無
扶養親族等の数 | 所得制限限度額 | 年収の目安 |
0人 (シングルや夫婦共に働いている方で、子が前年末に未だ生まれていなかった方など) |
622万円 | 833.3万円 |
1人 (シングルや夫婦共に働いている方で、子供1人の場合など) |
660万円 | 875.6万円 |
2人 (シングルで子供2人の方や年収103万円以下の配偶者と子供1人の場合など) |
698万円 | 917.8万円 |
所得制限にかかる方は、特例給付として一律5,000円/人が支給されますが、
夫婦のうち、どちらかが年収1,200万円超の方(世帯)は2022年10月から特例給付は廃止となります。
⒊特別児童扶養手当
20歳未満で精神または身体に障害のある子どもを育てている父母または監護者などに支給されます。
・療育手帳A・B *自治体によって名称や程度が異なる場合もあります。ex愛の手帳1~3度程度等
・手帳をもたないが、障害・疾病等により日常生活に著しい困難がある場合
・等級1級=52,500円/月
(身体障害者手帳1〜2級・療育手帳A判定程度に該当する児童)
・等級2級=34,970円/月
(身体障害者手帳3〜4級・療育手帳B判定程度に該当する児童)
受給者(父母等)の所得制限があります。
以下、厚生労働省HPより所得制限(円)
扶養人数 | 受給者本人 | 受給者の配偶者及び扶養義務者 | ||
所得額 | 収入目安 | 所得額 | 収入目安 | |
0 | 4,596,000 | 6,420,000 | 6,287,000 | 8,319,000 |
1 | 4,976,000 | 6,862,000 | 6,536,000 | 8,586,000 |
2 | 5,356,000 | 7,284,000 | 6,749,000 | 8,799,000 |
✅その他
毎年8月に現況届を提出し更新する必要があります。
また、手帳がない発達障害のお子さんも対象の可能性がありますので、
各自治体で確認しましょう。
⒋障害児福祉手当
✅対象
精神又は身体に重度の障害を有するため、日常生活において常時の介護を必要とする状態にある在宅の20歳未満のお子さんに支給されます。
・おおむね身体障害者手帳1級および2級の一部
・上記と同等の疾病・精神の障害(専用の診断書による判定)
✅支給額
一律月額14,880円
前述の児童扶養手当、特別児童扶養手当との併給可能
✅所得制限
受給資格者(重度障害児)の前年の所得が一定の額を超えるとき、もしくは受給資格者の生計を維持する扶養義務者(父母等)の前年の所得が一定の額以上であるときは手当は支給されません。
以下、厚生労働省HPより所得制限(円)
扶養人数 | 受給者本人 | 受給者の扶養義務者等 | ||
所得額 | 収入目安 | 所得額 | 収入目安 | |
0 | 3,604,000 | 5,180,000 | 6,287,000 | 8,319,000 |
1 | 3,984,000 | 5,656,000 | 6,536,000 | 8,586,000 |
2 | 4,364,000 | 6,132,000 | 6,749,000 | 8,799,000 |
こちらも20歳未満のお子さんの支援制度です。
お住いの自治体に確認をしましょう。
⒌母子父子寡婦福祉貸付金
20歳未満の児童を扶養している配偶者のいない方や寡婦等に対する無利子または低金利の貸付制度です。
厚生労働省が管轄しています。
あまり知られていませんが、多種の貸付支援があるようです。
ざっくり貸付内容を紹介すると、
以上の中でも、特にお子さんの進学に関わる貸付について以下に補足します。
✅修業資金
ざっくり言うと、高校や大学の毎月の教育費の貸付です。
最大、高校で52,500円、短大・大学で131,000円を修学期間中貸付し、
無利子で返済期間は20年以内です。
✅就学支度資金
入学時にかかる制服や鞄等の費用に対する貸付(一時金)です。
例えば、最大、中学81,000円、公立高校160,000円、大学(私立自宅外)590,000円。
無利子で原則、返済期間は20年以内。
その他については、こちらを参考にされて下さい↓
⒍就学援助制度
経済的な理由で、小学生または中学生のお子さまの就学の費用に困っている家庭を援助する制度です。
援助の内容は、学用品費、修学旅行費、学校給食費などです。
児童扶養手当は知っていても「就学援助制度」のことを知らない方は結構いらっしゃると思います。
ひとり親世帯だけでなく、小中学生のお子さんがいらっしゃる方は審査対象となり該当する可能性もありますので必見です。
各市町村で要件等は多少異なりますが、ほぼ同等の援助内容となっているようです。
ここでは長崎市の例で一部援助内容を紹介します。
✅援助を受けることができる方
①要援助者…生活保護受給者
②準要援助者(審査対象者)…以下のいずれかに該当し教育委員会が援助必要と認めた方
・生活保護が停止、廃止された
・市民税が非課税
・国民年金掛金が減免された
・児童扶養手当を受けている
・生活福祉資金を借りた
・世帯の合計所得額(概算)が以下の場合(一部記載)
世帯人数 | 2人 | 3人 | 4人 |
世帯の合計所得 | 2,222,000円 | 2,514,000円 | 2,802,000円 |
ここで言う所得については、源泉徴収票の下図赤枠の金額を確認してください。
(給与所得控除後の金額になります)
✅援助内容
①新入学用品費
・小学校1年生…51,060円 [小学校入学前の3月に支給]
・中学校1年生…60,000円 [中学校入学前の3月に支給
②学用品費等(年間)
・小学校1年生…11,630円
・小学校2~6年生…13,900円
・中学校1年生…22,730円
・中学校2・3年生…25,000円
③その他
・給食費・修学旅行費・校外活動費・体育実技費用等、実費で学校等に支給。
以上ざっくりですが、要件に該当する項目が一つでもあれば、ぜひ申請してみましょう。
申請先は、学校から配布される「就学援助申請書」に記入し、学校に提出します。
⒎給付型奨学金
奨学金と言えば、これまでは日本学生支援機構の第1種・第2種奨学金といった成績を基準に利子の有無が決まり、どちらにしても卒業後に返済を行う貸付制度が主な奨学金制度でした。
それが、2020年4月から世帯収入の基準を満たしていれば、成績だけで判断せず、しっかりとした「学ぶ意欲」があれば支援を受けることができる「給付型奨学金」制度が新設されました。
給付型奨学金の対象となれば、毎月の給付金の他、
大学・専門学校等の授業料・入学金も免除又は減額されます。
当然、返済は不要となり、卒業後のお子様の負担もありません。
支援対象に該当する方は確実に活用したい制度です。
概要をざっくり見ていきましょう。
✅支援額
支給については、大きく2種類です。
①給付型奨学金
毎月給付される奨学金です。
国公立大学等(自宅通学)…月額29,200円(満額)〜
私立大学等(自宅外通学)…月額75,800円(満額)
*世帯状況や進学状況により額が異なります。
②授業料・入学金
上記の給付型奨学金の対象になると、授業料や入学金の免除減額を受けることが可能です。
例えば(免除減額の額)、
国公立大学(入学金約28万円、授業料=年額上限約54万円)
私立大学(入学金約26万円、授業料=年額上限約70万円)
*こちらも世帯状況や進学状況により額が異なりますが、大きな額が免除減額されます。
✅対象者
①学ぶ意欲がある学生
②世帯収入や資産の要件を満たすこと
〈住民税非課税世帯の学生〉
例:ひとり親世帯(子1人)の場合…年収約210万円までの世帯(第1区分)
〈住民税非課税世帯に準じる世帯の学生〉
例:ひとり親世帯(子1人)の場合…年収約300万円までの世帯(第2区分)
例:ひとり親世帯(子1人)の場合…年収約370万円までの世帯(第3区分)
*母または父のみが生計維持者のケースであり年収は全て目安です。
また、預貯金等の資産が1,250万円未満の世帯(生計維持者が2人の時は2,000万円)に限られます。
第1区分世帯=満額支援
第2区分世帯=満額(上限)の3分2支援
第3区分世帯=満額(上限)の3分1支援
申請は、学校を通じて日本学生支援機構に申し込みます。
年2回の申請ができますので、状況の変化により随時申請可能になります。
⒏生活保護
「生活保護」誰もが聞いたことのある言葉だと思いますが、具体的な制度の中身や金額等はあまり知られていません。
ここでは、受給するための条件や大まかな給付内容を見ていきましょう。
あらためて、生活保護とは「日本国憲法第25条」の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」に基づいて作られ、国が生活に困っている人をサポートし本人が自立することを目的とした制度です。
✅支給金額
国が定める最低生活費と収入を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に、最低生活費から収入を差し引いた差額が生活保護費として支給されます。
最低生活費ー世帯収入=生活保護費
最低生活費はいくらなのか!?
居住地や家族構成等によって異なります。
例えば、
40歳のひとり親で子が中学生1人の世帯で横浜市の場合
216,261円/月が最低生活費とされます。
これが、同条件で長崎市の場合
187,736円/月となります。
この額から収入があれば差し引いた金額が支給されます。
色々と制約はありますが、いざという時には頼もしい支援制度です。
知っておくだけでも安心感があると思います。
詳しくは、生活保護制度|厚生労働
⒐ひとり親家庭等医療費助成
ここでは、ひとり親家庭における医療費助成制度について案内します。
乳幼児や義務教育就学児の医療制度もあり、少しごちゃ混ぜになりそうですが、
ひとり親家庭等医療費助成は、シングルである親の医療費も助成されるものです。
助成内容等は地域によって異なるため、お住いの自治体のHP等を確認しましょう。
参考までに東京都、長崎市の内容をざっくり見ていきましょう。
◆東京都の場合
ひとり親家庭等医療費助成制度(マル親)
✅対象者
・児童(下記3)を監護しているひとり親家庭等の母又は父(所得制限あり)
・両親がいない児童などを養育している養育者
・ひとり親家庭等の児童又は養育者に養育されている児童で、18歳に達した日の属する年度の末日(障害がある場合は20歳未満)までの方
✅助成内容
*制度を受けるには所得制限があります(各自治体で異なる)。
例えば、練馬区の場合、
お子さん1人を扶養しているひとり親世帯では、年収目安として365万円が上限となっています。
◆長崎市の場合
ひとり親家庭福祉医療費
✅対象者
・20歳未満の児童を監護しているひとり親家庭等の母又は父(所得制限あり)
・両親がいない児童などを養育している養育者
・ひとり親家庭等の児童又は養育者に養育されている児童で、18歳に達した日の属する年度の末日(障害がある場合は20歳未満)までの方
*長崎市も所得制限があります
✅助成内容
保険診療に係る自己負担額から福祉医療費の自己負担額(医療取扱機関ごとに800円/日。ただし月に同一の医療機関に支払った合計額が1,600円を超えるときは1,600円)を差引いた額を助成。
つまり、1つの保険医療機関ごとに1日800円かつ月額1,600円が負担上限。
東京都と長崎市でもこれだけ違いがあります。各都道府県、自治体で千差万別のため、詳しくはお住いの自治体に確認が必要です。
補足ですが、東京都は、マル親、マル子(義務教育就学児)、マル乳(乳幼児)…とそれぞれの助成制度の保険証があります。ひとり親の方においては、マル子やマル乳が自己負担率が低いため優先的に利用されることになります。
長崎市は、乳幼児および中学生までのお子さんの医療助成とひとり親医療助成制度の内容はほぼ同じとなっています。
10.税金/年金等の減税(免)、免除制度
次に、税金や年金等の社会保険の減税や免除制度について紹介します。
税金は、令和2年度分から「ひとり親控除」というものが創設されました。要チェックです!
また、年金は条件によりますが、免除されるだけはなく将来の年金額にも反映されるため、しっかり活用したいところです。
所得税/住民税
これまでは「寡婦(夫)控除」というものが適用されていましたが、
冒頭の通り、令和2年分から「ひとり親控除」に改組されました。
所得税と住民税の計算の際に、所得から一定額を差し引くことで税金が下がります。
✅条件
⑴婚姻していない
⑵生計を一にする子がいる(所得が48万円以下の子に限る)
*子の年齢は問いません
⑶所得が500万円以下
✅寡婦(夫)控除との違い
⑴結婚歴は必要ない
寡婦(夫)控除は、死別または離婚後に生計を一にする子がいるという要件でしたが、時代の流れをくみ取り、結婚歴がない方でも子供を育てていれば適用されます。
⑵男女問わず
寡婦、寡夫といった概念がなく、男女問わず子を育てているひとり親の方が対象です。
⑶控除額がアップ
所得税=27→35万円、住民税=26→30万円
✅控除額=税効果
⑴所得税において⇒所得から35万円控除
⑵住民税において⇒所得から30万円控除
例えば200万円の所得がある場合、35万円を引いた165万円が所得になり、所得税117,500円/年、住民税30,000円/年の節税効果になります。(このケースでは、所得税は所得に対する税率区分が10%→5%に変わるため大幅減)
国民健康保険/国民年金の軽減・減免
こちらは、ひとり親だからという理由での軽減や減免はありません。
前年度の所得によって軽減割合が決まります。
なお、会社で健康保険や厚生年金に加入されている方は関係ありませんので飛ばしてください。
以下にざっくりですが、軽減される割合と所得水準を一覧にしました。
✅国民健康保険減額
軽減割合 | 軽減判定所得(前年所得) |
7割減 | 43万円+(給与所得者等の数-1)×10万円 |
5割減 | 43万円+(給与所得者等の数-1)×10万円+28万5千円×被保険者数 |
2割減 | 43万円+(給与所得者等の数-1)×10万円+52万円×被保険者数 |
↑上記は長崎市の例です。どこも同じような内容ですが、お住いの自治体HP等で確認してください
国保の計算は、
医療・後期高齢分・介護分それぞれの
【所得割額+均等割額+平均割額】で計算します。
複雑ですよね…ただ、ここでは細かなことを無視してください。
上記の軽減は、均等割額と平均割額の部分が7~2割に減額されます。
よって、単純に7割減等となるわけではありません。
それでも年間にすると大きな差にはなります。
ちなみに、申告については、住民税の計算の際に自治体で判定してくれるため特に何もする必要はありません。
✅国民年金減免
保険料 免除割合 |
年金額 反映割合 |
所得基準(前年所得)*1月~6月までに申請する場合は前々年所得 |
全額免除 | 2分の1 | (扶養親族等の数+1)×35万円+32万円 |
4分の3免除 | 8分の5 | 88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
半額免除 | 8分の6 | 128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
4分の1免除 | 8分の7 | 168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
国民年金の保険料は16,590円(R4年度)です。
例えば、4分の3免除の方は、4150円の保険料となり、
月々10,370円分(16,590円×8分の5)が年金額に反映されます。
また、所得の計算における扶養親族等控除額は以下の通りです。
16歳未満=なし
16歳以上=38万円
19歳以上〜23未満=63万円(特定扶養親族)
70歳以上=58万円(同居)、48万円(左記以外)
⒒住宅手当/助成/補助
住居に関する援助は、自治体独自の制度のため、呼び方も手当や家賃助成、補助制度等と様々です。
中には市営住宅等の家賃を助成して提供する地域もあります。
助成や補助額は月額1万円前後が多い感じがしますが、4万円程の補助が出る所もあります。
お住いの各自治体HPや直接問合せてみましょう。
参考までに、世田谷区の制度をざっくり紹介します。
◆世田谷区
「ひとり親世帯家賃低廉化補助事業対象住宅」
民間賃貸住宅に転居される際に、家賃の一部を補填
✅減額となる金額
本来家賃-公営住宅並み家賃=減額となる金額(上限4万円)
✅対象
・18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子どもを養育するひとり親世帯
・世田谷区内に1年以上在住していること
・生活保護を受けていないこと
✅所得制限
入居世帯員全員の所得を合算した金額が月額15万8千円以下
●所得の計算方法
{年間所得金額―(同居者・扶養親族控除+ひとり親控除後)}÷12
●年収制限目安
同居の子ども1人…3,948,000円
同居の子ども2人…4,420,000円
その他、詳細は各自治体HP「ひとり親 住宅手当」等で検索してみてください。
⒓.就労支援
ひとり親の資格取得を促進し自立をはかる目的に、国の政策として各自治体が実施している主な就労支援制度を紹介します。
支援内容はどの自治体も同じような内容ですが、給付額等が異なる場合もありますので各自治体のHPを確認しましょう。
①自立支援教育訓練給付金事業
✅支給額等
教育訓練講座の受講費用の最大60%を助成(上限20万円、下限12,001円)
✅対象講座
雇用保険制度の教育訓練給付金の指定教育訓練講座
✅対象者(当該自治体に居住の方)
・20歳未満の子どもを扶養し、児童扶養手当を受給、または同等の所得水準の方
他、自治体による
②高等職業訓練促進給付金等
ざっくり言うと「生活費をもらいながら学び直しができる」制度です。
職に有利な資格を取得するために養成機関で1年間以上修業することにより、当該資格の取得が見込まれ、「仕事または育児」と「修業」の両立が困難であると認められる場合に、生活費負担軽減のための給付金や修了支援給付金を修了後に支給しています。
✅対象の養成機関・資格
看護師、准看護師、保育士、介護福祉士、作業療法士、理学療法士、美容師等、各自治体が認める資格
✅対象者
・20歳未満の子どもを扶養し、児童扶養手当を受給、または同等の所得水準の方
・1年以上のカリキュラムの修業により、対象資格の取得が見込まれる方
・就業又は育児を修業と両立させることが困難である方
✅支給額等
【高等職業訓練促進給付金】
修業中、全期間に給付(最終年は増額)*上限4年間
支給対象 | 支給額 |
市町村民税非課税世帯 | 月額100,000円 |
市町村税課税世帯 | 月額70,500円 |
*〈最終年度加算額〉 | 月額40,000円 |
【高等職業訓練修了支援給付金】修了後に給付
支給対象 | 支給額 |
市町村民税非課税世帯 | 50,000円 |
市町村税課税世帯 | 25,000円 |
③高等訓練促進資金貸付事業
こちらは、上述②の高等職業訓練促進給付金を活用して養成機関に在学し、就職に有利な資格取得を目指すひとり親家庭の親に対し、養成機関等の入学準備金のための資金を貸付けしてくれる制度です。
しかも、条件をクリアすることで返済免除になる可能性があります。
✅貸付対象者
・高等職業訓練促進給付金の支給を受けている方
・修了後、取得した資格が必要な業務に従事しようとする者
✅貸付内容
入学準備金 | 50万円以内 | ・養成機関に支払う入学金、教材費等の納付金 ・参考図書、学用品など |
就職準備金 | 20万円以内 | ・就職によって転居が伴う場合における転居費用など ・就職にあたり必要となる被服費や通勤費等 |
利子等 | ・連帯保証人を立てる場合は無利子 ・連帯保証人を立てない場合は年1% |
✅返済の免除
養成機関を修了し、かつ資格取得した日から1年以内に貸付を受けた自治体の地域に就職し、
取得した資格が必要な業務に従事し、5年間引き続き業務に従事した時は、貸付金の返還が免除されます。
以上ですが「給付金を受給しながら自分の能力アップが図れる」
とても魅力的な制度ではないでしょうか!?
状況が許される方は是非活用しましょう。
13.その他
その他の割引制度や免除等が自治体によって提供されています。
✅電車やバス料金の割引
JRの定期券などが3割引きで購入できる所もあります。
✅上下水道料金の割引
児童扶養手当を受給している世帯に適用される自治体があります。
✅粗大ごみ処理手数料の割引
自治体によりますので確認をしてみましょう。
✅保育園幼稚園の無償化
ひとり親に限りませんが、小さなお子さんを育てているひとり親にとっては大変助かる制度です。
☛制度のざっくり概要
・3~5歳児の保育料が無料(保育園、市立幼稚園、こども園等)
・私立幼稚園の場合=3~5歳児の保育料が月額25,700円まで無料
・住民税非課税世帯の0~2歳の子どもの保育料が無料
詳しくは、内閣府HPで
まとめ
以上、13の項目におよぶ「ひとり親の公的な援助」を紹介してきました。
児童扶養手当や児童手当は確実に請求し給付を受けましょう。
他の制度についても、各々必要性があり活用可能であれば、早速、お住いの自治体に問合せしましょう。
まずは、HPでも確認できます。
大抵は市町村の役所でOKですが、
奨学金☛日本学生支援機構
税金☛各地域の税務署
年金☛日本年金機構
以上は国の専門機関が問合せ先になります。
子どもが学校卒業または成人になるまでの支援制度がほとんどです。
お子さんのためにも遠慮なく活用させていただきましょう。