株価が市場最高値!まだまだ上がる?

日経平均株価が市場最高値を更新したことは皆さんも周知のとおりです。
「この波に乗り遅れてはいけない」または「まだ今から投資しても間に合うかな?」。。。等々、
それぞれに交錯している状況ではないでしょうか。

専門家の間でも、
「まだまだ上がる10万まで到達する」いや「過熱感あり過ぎで下落する」…
意見はまちまちです。

また、そもそも
なぜ、こんなにも株価が上がってきたのでしょうか?
バブルなのでしょうか?

株価上昇の理由と今後の投資の考え方について、
大まかですが、検証してみました。

皆さんの今後の投資スタンスのヒントにしていただければ幸いです。

株価上昇の理由は?

先月2月22日に日経平均株価が34年ぶりに高値更新をしました。

バブル真っ只中の1989年12月29日の3万8915円。
これまでの最高値を30年以上も超えられたなかった株価が
先月、実にあっさりと3万9098円に塗り替えられました。
さらにその後も、連日の最高値更新となっています。

なぜ、これほどまでに株価が上がり続けているのでしょうか?

理由としては、

・円安
・インフレ
・米国株式の上昇(AI銘柄が牽引)
・中国市場からの資金移動
・日米中央銀行の金融政策
・新NISAによる資金流入
・東証のPBR1倍割れ是正
等々…
色んな情勢や状況が重なり合った結果ですが、
主だった理由について、もう少し詳しく見ていきましょう。

 

⒈円安とインフレ

まず、円安について。
円安になることで、

・輸出企業の業績アップ
→特に、海外売上比率が高いトヨタやソニー等、
国内トップクラス企業の影響が大きい。
ドルで稼いだお金を円に替えることを考えると、円安が良いことがわかります。

・日本株が割安
→円安のため海外投資家から見ると、日本株が割安である

ちなみに、1ドル=100円の時と比べると、
現在の為替レートであれば、約33%安く株を買えることになります。
(あくまで為替だけで考えた場合であり、株価の内容や時代背景等を考慮せず)

参考までに、下図はドル建ての日経平均(赤)とS&P500(緑)の5年間のパフォーマンス比較ですが、日経が最高値を出したとはいえ、まだまだ米国株のパフォーマンスが大きいことがわかります。

次に、インフレ=物価上昇について。

インフレにより企業は値上げ
→そうなると売上アップし、株価も上昇するわけです。

一方で、我々消費者は厳しいのですが…
詰まるところ、それに応じた賃金上昇がなければ、
国内景気は本当の意味で良くなりません。
企業も消費者もWinWinになることを願いたいです。

 

⒉米国株式の上昇(AIバブル)

こちらも、日本株上昇の要因としてとても大きいと考えます。
その事実、米国株も市場最高値圏であり、
中でも注目のAI関連の米国半導体メーカーである
エヌビディアが好決算を発表した2月22日に日経平均株価が最高値を更新しました。

ちなみに、
国内においては、東京エレクトンという半導体メーカーが、
時価総額でソニーやNTTを抜き10年前の株価の17倍となりました。

参考までに、生成AI 市場は、グーグル、アップル、アマゾン、メタ、アルファベット等の米国IT企業を中心に今後まだまだ大きく成長する分野として注目され、年平均成長率は約54%とも言われているようです。

 

⒊中国からの資金流入

中国の不動産市場の混乱を端に発した景気減速感により、日本市場やインド市場に投資マネーが流入しています。

中国は消費者物価指数も4ヶ月連続で前年同月比マイナスの状況です。

これにより、東京証券取引所は、アジア株式市場で21年ぶりの首位返り咲きとなりました。

 

⒋日米中央銀行の金融政策

まずは米国。
米国経済の堅調が続いているため、
FRB(米国の中央銀行にあたる)は金利を下げることができず、円高ドル安になりにくい状況。

一方の日本銀行ですが、
現在のマイナス金利政策を解除する予定ですが、
引き続きゼロに近い金利を維持する考えを強調しています。
また、国内の現状の物価上昇率は2%達成しており、
ゼロ近傍の政策金利を維持するということは、
実質▲2%程度の「超緩和」状態を続けることを意味します。
つまり、円高になりにくいために(円安のまま)、
円通貨の魅力もあまりなく、株式市場にお金が流れている状態と言えます。

 

まだ株は上がる?|今後の投資の考え方

まず、結論から申し上げますと、
今後の株価がどうなるかは誰にもわかりません。
投資の神様であってもです。

このことを前提に、
今後の株価(日経平均)の
「上がる要因」と「下がる要因」を少し考えてみましょう。

上がる要因

主な要因として、
円安とインフレが今後も継続する

なぜ円安とインフレが継続すると株価が上がるのか?

株価は以下の計算式になります。
上述したように、円安→インフレになると売上が上がり、利益も上がります。
ということは、式の左=会社の利益=EPSが上がるため、株価は上がりますよね。

そして、
下図は高値更新翌日の日経新聞の掲載内容です。
バブル期の最高値の時と現在の比較。

株価の式に当てはめられる数値は、
PER株価収益率です。
表をよく見てください。
バブル期は61.7倍!現在は16.5倍です。
4分の1。いかにバブル=投資家の期待値が上がり過ぎていたのかがわかります。
ということは、
もう一度、上記の株価の式を見てください(EPS×PER)。
PERが4分の1なので、EPSは約4倍ということになりますねよね。

理論的には、バブル期とは違う。ということになりそうです。
中身が良いわけです。

そして、もう一つ。
世界の時価総額の日本比率。
バブル期は37%もありました。
すごいですよね。
ジャパン・アズ・ナンバー・ワンだったんです。
現在は6%です。
日本株だけが上がり過ぎているわけでもなさそうです。

また、米国が金利を下げ始めると、一時的に米国の株価は上がる可能性があります。
そうなると、日本の株価も上がる可能性があるかもしれません。
今のところ、米国は、年内に4回金利を下げると市場は見ています。

下がる要因

⑴米国の景気後退=米国株式市場の下落
⑵日本の金利が上がってくる
⑶有事、地政学リスク勃発

特に、⑴米国株式市場の下落が一番影響を与えるのではないでしょうか。
というよりも、日本だけではなく世界的に株価は下がる可能性があります。

やはり、現状では米国が世界経済を牽引しているのは事実ですから。

では、米国経済はどうなのか?
景気は概ね堅調です。
特に米国は個人消費者が景気を牽引しています。

心配のタネとしては、
・商業不動産を巡る銀行経営不安
→米国はコロナ終息後もオフィス出社率が50%ほど。
オフィスビルの需要減で不動産低迷状態です。
それに伴い、
中小銀行を中心に、融資したお金が戻ってこない可能性が浮上しているのです。

・失業率や個人消費の今後
→失業率と景気減退は密接な関係があります。
直近の失業率が3.9%となり2022年1月以来の水準になりました。
今後ある一定の失業率を超えてくると景気後退に入ります。
また、個人消費に関して、
コロナ禍の給付金等による貯蓄超過分がいよいよ枯渇します。(サンフランシスコ連銀データより)
こうなると、米国経済を支えている個人消費が低迷する可能性もあります。

その他、⑵の日本の金利上昇ですが、
基本的に金利が上がると、株価は下がります。
植田総裁はマイナス金利を解除しても、当面は金融緩和(0に近い金利)を継続する。と話しているため、
日本の金利がどんどん上がっていくことは考えられませんが、
日本の景気が加熱し過ぎると、あり得ることです。
とりあえず何となく知っておきましょう。

 

今後の投資の考え方

では、我々がやること。やれることは何か⁉︎
それは、
『資産の下落リスクをいかに下げておくか』

右肩上がりの時の株式市場では、
投資のことをよくわかっていない人でもある程度は儲かります。

ただし、株価はいつまでも上がり続けるわけではありません。
そして、いつ暴落するかもわかりません。

投資で重要なことは、
いかに自分が保有する資産全体の下落幅を最低限に留めるか。

これは、下げ相場の時だけというわけではなく、
投資方針自体がそうなっていることが大切です。
下がり始めてからでは遅いのです。

具体的にはどうするのか?
勉強会で何度もお話ししていますが、

  1. アセットアロケーション(資産配分)
    資産を分散させる
  2. 長期で投資を考える
  3. 積立投資で時間分散(状況による)
  4. 手数料が低いものを選択

以上のような「投資の原則」を守るということです。

例えば、
株が下落しても、現金は下落しません。逆に価値が上がります。
その他、国債(先進国債券、国内債券、米国債券等)や金…
保有する株式と逆相関関係にある資産を保有(確保)しておくことです。

 

現在の投資のプロたちの動向は⁉︎

投資の神様とも言われるバフェット氏率いる投資会社。
現在の株式市場をギャンブル的だと指摘しているようです。
また、先月、昨年末に保有するアップル株1000万円売却した。という報道がありました。
さらに、資産状況においては、株式の購入より売却の方が上回っており、現金比率が高まっています。

SNSの投稿の中には、今後の株価下落を示唆している。とコメントも多々散見されましたが、
単に利益確定を行っただけなのかもしれないし、何よりも先のことは誰にもわかりません。

ただし、常に警戒感を持つことは大切だと思います。

「強気相場は、悲観の中に生まれ、
懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく」

アメリカの著名投資家・ジョン・テンプルトン氏の言葉です。

  1. 市場が総悲観となった局面が、強気相場の出発点になりやすい
  2. 先行きに警戒感や疑い(懐疑)が残るうちは徐々に上昇(回復)を続ける
  3. 警戒感が薄れ楽観的になったころは、相場の天井圏が近い
  4. 市場が総強気や幸福感に浸っているときに、上昇相場が終わることが多い

今は、⒊か⒋といったところでしょうか。

実際に投資の真のプロと呼ばれる人たちは、
これまでの景気変動の中においても、
世間で熱狂している時に株式を少しずつ売却し、
不況に陥った時に株式を買っていることが明白です。

 

最後にまとめ

色々と勝手に述べてきましたが、
まとめると、

株価がどうなるかは誰にもわかりません。
よって、

自分の資産を
いつ株式市場が暴落しても守れるようにしておくこと。

具体的には、アセットアロケーションで資産分散をしっかり行うこと。

その上で、
日経平均やAIバブルによる米国ナスダック等、この先の値上がりを期待し、投資をするのもありだと思います。
ただし、そこに投資する資産が半分になっても良い。といったリスク許容で実行することをオススメします。

参考になったかわかりませんが、
今後の投資のご参考までにしていただければ幸いです。

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