報酬比例部分?/超簡単!計算例|厚生年金は、ねんきん定期便で解決

老齢厚生年金がいくらもらえるのか?

気になって色々調べて計算しようとすると、
【報酬比例部分】という何やら難しそうな名称のものが出てきます。

さらに面倒くさそうな計算式が…
もう少しわかりやすくしてくれればいいのに…

せっかく厚生年金がいくらもらえるのか調べようとしても、
ここで、つまずいてしまう人も少なくありません。

この記事を読むことで、
報酬比例部分が明確になり、老齢・障害・遺族厚生年金の給付額が簡単にわかります。
また、一度計算しておくと、全てに流用できるため大変便利です!

 

報酬比例部分とは?

まず、老齢厚生年金の年金額は
報酬比例部分+経過的加算+加給年金額】
*参考までに【経過的加算や加給年金額】について

ざっくり言うと、おひとりさまにとって報酬比例部分がほぼ老齢厚生年金と思っていただいて結構です。

*この記事では、65歳以降の老齢厚生年金について紹介します。
つまり、昭和36年(女性41年)4月2日生まれ以降の方を対象にお話しします。

報酬比例部分とは、
老齢厚生年金や障害厚生年金、遺族厚生年金の給付額の計算の基礎となるものです。

では、報酬比例部分について、もう少し詳しく見ていきましょう。

 

報酬比例部分の原則的な計算方法

報酬比例部分とは、老齢厚生年金、障害厚生年金、遺族厚生年金のいずれの給付においても、年金額の計算の基礎となるものです。
年金の加入期間や過去の報酬等に応じて決まるもので、計算方法は次のとおりです。

報酬比例部分 ア)+ イ)

ア)平成153月までの期間⇒平均標準報酬月額(月の平均)×7.125÷1,000×加入月数

イ)平成154月以降の期間⇒平均標準報酬額*×5.481÷1,000×加入月数

ア)、イ)は、標準月額と報酬の違い。

平成15年3月までは月額の給料のみで計算していたのが、
平成154月以降は総報酬制というものが導入され、ボーナスも入れて計算することになりました。

平均標準報酬額とは、
平成154月以降の標準報酬月額と標準賞与額の総額を被保険者期間の月数で割って算出した平均額。
ざっくりいうと、これまでの年収の平均を12で割って1か月当たりにした額。

ちなみに、直近の標準報酬月額や標準賞与額はねんきん定期便に記載があります。
さらに詳しく日本年金機構HP

いかがでしょうか?
出来ないこともないですが、少し面倒くさくないですか?!

そこで、ねんきん定期便を使って計算することで
簡単に割り出すことができるのです。

 

ねんきん定期便を使って計算しよう

ねんきん定期便を活用する

結論、報酬比例部分(年金)は「ねんきん定期便」から簡単にわかります!
答えは下図の【E】になります。

ただし、遺族厚生年金と障害厚生年金を計算する際に、
加入月数が300月(25年)に満たない場合は、
÷】×300月となります。

つまり、例えば10年しか加入していない方に万一のことが起きた場合、
年金額が10年分の実績に応じた額になり少額になる可能性があるため、最低でも300月(25年)とみなしてくれているのです。

実際に上図の「ねんきん定期」に基づいて、各厚生年金の報酬比例部分を計算してみましょう。
ココをおさえておけば問題ありません。
できれば、ご自身の「ねんきん定期便」をお手元に準備し計算してみてください。

 

老齢厚生年金の報酬比例部分は?

まずは老齢厚生年金の計算方法をみていきましょう。
年金額は、下記の計算式です。

・老齢厚生年金=【報酬比例部分】+経過的加算+加給年金額

冒頭でも少しお話ししましたが、
老齢厚生年金≒報酬比例部分と考えていただいて問題ありません。

経過的加算と加給年金額については、日本年金機構のHPでも解説していますが、
こちらの「老齢厚生年金のところ」でも分かり易く解説しています。

で、結局のところ
E】の額が報酬比例部分(年金額)であり現状での老齢厚生年金の額となります。

上図のねんきん定期便の例であれば、

現時点での老齢厚生年金
=報酬比例部分(年金額)
=【E
=513,000円
*今後も加入期間に応じて増えていく

また、この額に老齢基礎年金が加算されます。
この例では、【D】の487,700円
*こちらも同様に加入期間に応じて増えていきます

以上、現状の老齢年金の額は、
D】487,700円+【E】513,000円=【F】1,000,700円/年となります。

 

ねんきん定期便から将来の年金試算をしたい方は↓

 

 

遺族厚生年金の報酬比例部分は?

遺族厚生年金の額は以下のようになっています。

・遺族厚生年金=【老齢厚生年金の報酬比例部分】×3/4
(人によって、中高齢寡婦加算や経過的寡婦加算あり)

やはり、【報酬比例部分】が基礎となっていますね。

では、おひとりさまを想定して、加入月数が300月未満の方が万一の際の遺族厚生年金を計算してみましょう。

〇遺族厚生年金
=老齢厚生年金の報酬比例部分×3/4
=老齢厚生年金額÷厚生年金加入期間×300
=【E÷B×300】ねんきん定期便より
【513,000円÷288月×300】×3/4 ≒ 400,800円/年

18歳未満のお子さんがいる方は、この額に遺族基礎年金がプラスになります。

 

障害厚生年金の報酬比例部分は?

障害厚生年金の額は障害等級により以下のようになっています。

・障害厚生年金1級 【報酬比例の年金額】×1.25+配偶者加算
・障害厚生年金2級 【報酬比例の年金額】   +配偶者加算
・障害厚生年金3級 【報酬比例の年金額】
・障害手当金    【報酬比例の年金額】×2(一時金)

こちらも全て【報酬比例部分】が基礎となっていますね。
2級と3級の違いは配偶者がいる場合に加算があるかないかの違いです。

では、おひとりさまはを想定して、加入月数が300月未満の方が、2級に該当した場合の障害厚生年金を計算してみましょう。

ねんきん定期便より
〇障害厚生年金2級
=報酬比例の年金額
=老齢厚生年金額÷厚生年金加入期間×300
=【E÷B×300】
【513,000円÷288月×300】≒ 534,000円(年額)

この額に障害基礎年金がプラスになります。*2級=777,800円(R4年4月分~)

534,000円+777,800円=1,311,800円/年

障害年金の詳細について

 

まとめ

「老後の年金がどれくらいもらえるのだろう?」と思ってググっても、
【報酬比例部分】といった難しい言葉が出てくるわ、複雑そうな計算式も出てくるわ…

せっかくやる気出して、老後の年金額を調べてみようと取り組んでも萎えてしまう。

だけど、ねんきん定期便さえあれば、ざっくりではありますが【報酬比例部分】が簡単に解決してしまう。
そうなると、老齢厚生年金、遺族厚生年金、障害厚生年金を割り出すのも超簡単。

ねんきん定期便は、基本的に誕生月に毎年ハガキで送られてくるソロ。
この記事で見てきたように、とても重要な情報が詰め込まれているんだ。
確実に保管しておこうね。

 

こちらも↓年金について参考になるので併せて見てみよう

老齢年金だけではない~年金のしくみ/障害、死亡時の保険も!?

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